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フジゲンの歩み

創業から半世紀、木を愛する信頼のブランドへ

会社創立は1960年。
フジゲンの社史をひもとけば、それは「木」というフィルターを通して語られるエレキギター界の歴史に通じるものとなる。

世界を目標に据えて ~世界一のギター工場までの奇跡~

日本を代表するエレキギターのトップメーカー「フジゲン」は、昭和三十五年(1960年)『富士弦楽器製造株式会社』として発足しました。

社名に"富士"を冠したのは、日本一になろうという志にほかなりません。当初はクラシックギターを生産していましたが、翌年から対米輸出を目的にエレキギターにシフトしました。

当時、日本国内のギター市場はクラシックギターが主役で、エレキギターはまだ揺籃期でした。しかしアメリカでは、既にエレキギターブームが始まっていました。もちろん、ギターの製造が当初から順調に進んだわけではありません。技術的にも未熟であった為に、様々な欠陥が指摘されるなど試行錯誤の連続でした。そうした問題を一つ一つ速やかにクリアして、ギターメーカーとしての信頼を獲得するため、改善と研究の日々が続きました。 その後、日本のエレキギター市場は一変。

特に昭和四十年(1965年)になると、ベンチャーズなどが大ブレーク、未曾有のエレキブームが到来しました。前後して雨後のたけのこの如く転業の新進メーカーが出現。生産もうなぎ登りの様相となりました。先行エレキギターメーカーとして、当時既に富士弦はトップメーカーの一画を占めていました。しかし急激なブームはその反動も大きく、四年後には急速な沈静化を見る事となります。ブームに便乗した急造メーカーは次々と倒産や廃業に追い込まれ、当時松本地方だけで五十社以上あったそのほとんどが姿を消すという惨憺たる状況となりました。

エレキブームが起きた三十九年から四十年にかけ、大小とりまぜて国内に約八十社がエレキに参入しましたが、それが四十五年までに自然淘汰され、今はフジゲンをトップに数社しか残っていません。

また昭和四十年以降の十年間にはオイルショックや円高、また韓国など後発メーカーの猛追もあり、決して順風満帆とは行きませんでした。しかしそうした変化に動じることなく”付加価値の高い製品を作る”、”世界一のエレキギターメーカーを目指す”に照準を定め、そこに向かって邁進してきたことが、フジゲンの企業力を高めることとなりました。

横浜港へトラックによる出荷風景(1965年早春)

創業当時のフジゲンロゴマーク。中心にある富士山を3本のギターが囲っている。

創立当時生産されたクラシックギター(ブランド:FUJI)

昭和五十三年(1978年)ローランド株式会社と富士弦が出資して松本市に「富士ローランド」を設立し世界初のギターシンセサイザー(GR)を発表しました。 また昭和五十七年(1982年)には、米国フェンダー社と提携、地歩を固め、昭和五十八年(1983年)に生産も月産一万四千本を達成。当時としては日本一で、それは世界一でもありました。

以後も生産の合理化などにより、国内外の著名ブランドのOEM生産本数は増加していきました。しかしそうした状況はいつまでも続きませんでした。楽器は労働集約型の業種で、エレキギターもその典型の一つ。生産コストの中で大きな比重を占める人件費は、経済成長とともに高騰。普及品を日本国内で作ることは困難となり、メーカーやOEM発注各社は、よりコストの低い国々に生産工場を求めていきました。周知の通り今日中国は世界の工場と言われ、楽器もその例外ではありません。

かつては日本が世界の工場であったのだが、それが韓国、中国へと移っていったのは、止めることのできない時代の流れでもあります。

世界初GRギターシンセサイザー

"THE WORLD'S MUSIC MAKERS"ギター生産量世界一記念撮影(昭和58年)

新生フジゲンの船出 ~異業種への参入~

平成元年(1989年)四月に「富士弦楽器製造」は、「フジゲン」に社名変更しました。その意図については、地元での協力会社は以前からありましたが、今日の環境下では富士弦楽器製造一社、あるいはこの周辺だけで全てを賄うというわけには行かなくなってきました。つまりグループ化を図るということです。こうした企業展開を進めるためには「フジゲン」の方が企業イメージを出しやすいということです。また、こうした体制を整備拡充していくためにけじめをつけ、全員が新しい気持ちになって新しい次代を切り開くために頑張ろう、という意味もあります。

フジゲンは今までギター作りで培ってきた知識、技術の蓄積があります。たとえば木材の管理、乾燥、塗装などは他社には無い非常に優れたものがあります。これからの時代は人間生活の豊かさ、ゆとり、味わいといった文化的生活に貢献できる商品が益々望まれてきます。ここにフジゲンの持っている優れた技術を活かした商品開発を企業理念として活動しています。

エレキギターつくりにおいては量よりも質、中高級品を中心に内容で勝負する方向へと拍車を掛けて行きます。「長年培った技術を新たな分野に活かす。」これはメーカーとして当然の選択で、技術や経験の蓄積、豊富な人材、さらには充実した生産設備があるからこそ可能になるのです。その一つが欠けても実現は容易ではありません。つまり多角化に踏み込めるか否かは、メーカーとしての実力を現すバロメーターにほかなりません。フジゲンはエレキギター生産を主体とするMI事業部と、その過程で培ってきた木工技術や塗装、仕上げの技術、更には音響知識を応用するCA事業部の二つがあり、それが弊社の両輪となっています。MI事業部は、国内外の著名ブランドのエレキギター、シグネチャーモデルのOEM生産が主体です。また、自社ブランドの「FUJIGEN」「FgN」など、それらの基本モデルからカスタムモデルまでを製作しています。一方、CA事業部では、高級乗用車のウッドパネルを主に高級音響機器のキャビネット、ウッドホーンなどを生産。これら製品作りには、木材の選定から、加工、塗装、最終の研磨作業までの工程は、エレキギター作りの過程とほとんど同じです。しかもエレキギターメーカーならではの強みは、塗装の色合いについても、実現できないものは無いというほど、豊富かつ繊細な色を作り出せるところにあります。また、エレキギターのボディで既に証明されているように、その鏡面塗装仕上げの質は極めて高く大手自動車メーカーより一層の高い評価と信頼を得ています。またオルゴールは自社ブランド「ハートフィールド」で、一般的なゼンマイ式シリンダーのボックス型から、本格的なスタンド型の高級ディスクオルゴールまで様々なモデルを製作。エレキギター同様、ボックス型にはモデルによって様々な木材を使用、楽器メーカーだけに音響効果も十分計算されており、いずれも極めて美しい音色と響きに高い評価を得ています。また同事業部では、自社ブランドのウクレレ「ププケア」をはじめ、天然木の集成材を使った「龍昇太鼓」と命名された和太鼓の生産も行っており、本社工場の一画では太鼓道場も開講しています。

手作業による塗装研磨

強制乾燥自動制御盤

11室ある強制乾燥炉

乾燥炉

これら全ての生産拠点は本社工場のほかに、隣接の大町市に大町工場、塩尻市に広丘工場があります。木材は大町工場で、自然乾燥を含む弊社独自の乾燥システムによりじっくり乾燥された後、三次元NCルーターによりネックやボディなどに加工されます。

次いで広丘工場で塗装が施され、大町工場で組立て等が行われ完成品へと姿を変えていきます。このほか北海道北部の紋別郡西興部村にも関連会社として木材加工、塗装を受け持つオホーツク木材工芸振興公社を稼動させています。更に松本市周辺には製造外注として協力会社が二十二社ほどあります。こうした言わばグループ会社の存在は、フジゲンの強みでもあります。

FUJIGEN大町工場と信州の大自然

自社ブランドの確立を

エレキギターのOEM生産については、ピラミッドの上の部分を占める製品、つまりトップブランドを担当するという方向で、今後も体制強化を行っていきます。ただし生産量を増やすというのではなく、質を高めるという方向です。また、自社ブランドを確立させるということはメーカーとして自立するための重要なテーマです。

自社ブランド「フジゲン」は、メーカーとしてのアイデンティティであり、全社一丸となって高みを目指すための必須条件と言えます。その根底には中国など後発メーカーの台頭が著しい大競争時代を迎えている今日、「メーカーは単に作って供給するだけでは生き残れない」という危機感があり、もっとアクティブ(自主的)でなければならないからです。そうした発想から取り組んでいることの一つが、「フジゲン・カスタムハウス」の出店です。

東京・池袋にサテライトショップ「フジゲン・カスタムハウス」を開設し、「フジゲン」ブランドのエレキギターやベースをアピールすると同時に、リペアやカスタムオーダーを受け付けています。それはマーケットリサーチの最前線基地でもあります。製造、卸、小売とそれぞれの役割分担はあるものの、現実にはそうした枠に納まらないボーダーレスとなっている今日、メーカーも生き残りをかけて、新時代を拓くためにも自らを変えなければなりません。そのためには、市場動向の把握、柔軟な発想とすばやい対応力が求められているからです。もう一つ、新しい事業として開設するのが「フジゲンオンラインショップ」、いわゆるネット販売です。自社ブランドの確立とメーカーのメリットを武器に出店しています。

フジゲンブランドギター

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ハートフィールドオルゴール

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輸出ブランド車用ウッドパネルの製造

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