クラフトマンの肖像 吉田守考

昭和28年生まれ。昭和51年、フジゲン(当時、富士弦楽器製造株式会社)入社。
棹加工工程で、木材の選別と昇降盤、ボール盤などを使った木工加工に携わる。
その後、静岡県にある大手楽器メーカーに出向し、8年間木材の目合わせ、合板から加工までのノウハウを学ぶ。
フジゲンに戻り、合板(縦貼り、横貼り)用の機械を自ら設計、製作、導入し大量生産に対応したフジゲン合板工程を立ち上げる。
その後もブリッジ、テールピースなどハードウェアー製造工程の立ち上げ、生産管理、営業なども掛け持ち、現在はフジゲン木資材・合板工程の責任者を務める。

フジゲンで使用している良質な木材を仕入れるために、自ら外国に出向きその目で木材を見極める。

今までアメリカ、カナダ、ロシア、ドイツ、インドネシア、中国、韓国など世界各国を訪問し、世界中の木材・銘木を見極め調達している。 特に、ギターの鳴りを左右する棹材・メイプルに関してはこだわりを持つ。

9月から10月、メイプルの木の葉が落ちる時期を見計らい、生きた木から伐採、製材まで立ち会うため、アメリカ・カナダには15回以上出向いている。
メイプル、ライトアッシュなど、主に板目で使用する材の木目合わせは長年の経験が冴える。
「柾目より板目の方が木目合わせは難しい」
木目を合わす際には、必ずボディー最終形をイメージすることを心がけている。
木材の段階と、製品の段階では木目の見え方が大分変わってくるが、長年の経験で高級感溢れる木目を作り出す。

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