ヴィンテージサウンドをつくる要素の1つに、「木材の鳴りの良さ」があります。アメリカの2大メーカーをはじめとするギターメーカーが数十年前に製造したギターの音の良さ、それは当時の木材の質がそのまま音に反映されていると言っていいでしょう。
至高のサウンドを追い求めるフジゲンは、大自然で育ち250年前に伐採された銘木と出会いました。
湖底に眠り続けた銘木、タイムレスティンバー
伐採されてから70年から250年以上も五大湖の湖底に沈められていたハードウッド。それを引上げ乾燥させたものがタイムレスティンバーです。湖底は空気が遮断され、樹齢200年を超える木材のきめ細やかな木目はそのままに保存されていました。大自然の中でゆっくりと育ち、水中という特異な環境で眠りつづけたタ イムレスティンバーは理想的なギター材となりました。
タイムレスティンバーからアクアティンバーへ
フジゲンは長くタイムレスティンバーを採用してきました。しかしこの資源も底をつこうとしています。そこでAqua Timber 社からタイムレスティンバーと似た性質の木材を調達することとしました。それがアクアティンバーです。
冷えた水底から引き上げられた、1000年前の木材
アクアティンバーは、ジョージア湾や五大湖、その他北アメリカを通る水路の底に眠る木材を引き上げたものです。
これらは500年前から1000年前の木材で、1000年から1500年頃にかけて成長し、1850年~1900年代初頭に伐採されました。それから引き上げられるまでの150年間、空気に触れることなく北米の冷たく澄んだ水の中で眠りつづけていました。
1000年前の日光の少ない環境下でゆっくりと成長した樹木は今日のものよりもずっと細く、くっきりとした年輪を持ちます。これにより内部密度が増し、高い強度と耐久性がそなわりました。また、引き上げ後に製材・乾燥することで細胞は中空となり、結果特有の色合い、音響性質を持った木材となっています。